高級な菓子のみに使われる砂糖の一種です。ショ糖(砂糖の主成分でブドウ糖と黒糖がくっついたもの)以外に何も添加されておらず、結晶がさらさらとしていて固く、無色透明です。一般家庭で使われることはほとんどなく、高級菓子の上品な甘さをだす場合や、羊羹、あずきあんの材料に使われています。


ざらめ砂糖の中では結晶が小さくさらさらした砂糖を指します。水に溶けやすく、淡白で癖のないあっさりとした甘さが特徴です。不純物を含まないので、透明感のある仕上がりになります。グラニュー糖を使った餡は、しつこい甘さがなく、どの年代の人にも抵抗なく食べられるので、現在の和菓子づくりには欠かせない材料となっています。


上白糖はふつうの白砂糖を指し、菓子づくりにいちばん利用されています。精製糖(しょ糖の結晶を精製し、結晶化したもの)に転化糖(砂糖をブドウ糖に果糖に等量分解したもの。果糖とは果物などに含まれる甘味が強い糖を指す)を加えてつくられており、しっとりしてやや甘味が強くでます。利用する場合は漉し器でふるい、雑物を取り、粒を均一にして使います。


甘しょ(サトウキビ)から絞った蜜をそのまま煮詰めてつくったものです。精製されていないので、色は黒くかなりしつこい甘さがありますが、風味はた いへんよいものとされています。特産地は沖縄県が 最も多く、特に宮古島で生産されるものが良質といわれています。黒蜜、利久(りきゅう)饅頭(生地が黒ずんだ緑の利休色に似ている)は必ず黒砂糖を使ってつくられます。


砂糖の中でも最上級品のもので、サトウキビからつくられた原料糖に水を加えて練り、布袋に入れて圧搾あっさくする手作業を繰り返してつくられるものです。結晶が細かく、すっと溶けるような口当たりと風味がばつぐんで、主に半生菓子(表面は乾いているが、中身はしっとりしたお菓子)の打菓子(落雁らくがん)に使われます。江戸時代から徳島でつくられていて、生産量が少なく非常に高価なため、餡に使われることはほとんどありません。


デンプンからつくられた糖液を指します。粘り気と保湿性があり、主に菓子の乾燥を防いだり、つやを出す効果があります。甘味はさほど強くなく、堅くなりにくいので、しっとりしたきめの細かさを出し、舌ざわりをよくしてくれます。あんや生地などをつくるときに、練りこむようにいっしょに使われることが多いようです。